去年の10月頃、京都の着物屋さんの社長様が、おいらの工房まで、
孟宗竹を車で運んできてくれました。
この孟宗竹は、京都のお店でお正月飾りで使っていらっしゃるそうです。
毎年青竹で作るそうです。
しかし、使い終わった青竹が、捨てるには勿体ないとのことで、倉庫で
保管しておいたそうです。そして、竹筒の花生けとして、生まれ変らせたい
とのことで、おいらにご依頼くださいました。
まず、花生けに使えそうな、節の良い所を切り抜きました。
青竹のまま保存されていたので、白竹には成りませんが、なにやら
おもしろそうな模様がありそうです。
そして、炭火で炙り、油抜きをしました。
思ったとうり、良い模様が出てきました。
まるで、土佐の虎斑竹みたいですね。
そして、良い部分を切り出しました。
こちらは、一重切りの花生けにします。
この竹は、窓を二か所開ける、二重切り花生けにします。
まず、口を開けます。
そして、切り出し小刀で、きれいに削り直します。
削り終わりました。
そして、釘穴を開けました。
一重切り花生けです。
二重切り花生けです。
そして、最後に銘を入れました。
自分でも、納得のいく作品が出来ました。
出来上がったばかりなので、切り口が新しく軽い感じがしますが、
時間が経てば、重みがでてきます。本当の完成はお客様がこの
花筒を使い続けて、古くなったとき、時代がついてきて完成します。
製作費 一本 10,000円
竹筒花生けは、出来上がった完成品を見ると。一見、作るのは簡単そうに見えます。
以前、展示会の時に、竹花筒を出品したことがあります。
その時、時々お客様に「ただ、竹を切っているだけじゃないか、
なんでこんなに高いんだ?こんなの誰にでもできるんじゃないの?」と質問される
ことがよくあります。たしかにそうです。ただ切り抜くだけなら、簡単です。
ですが、どこを切り抜くかが問題です。一本の最高の竹花筒を作りあげるために、
どこをどの、角度で切れば一番美しく見えるか。何日にも渡り思考錯誤します。
考えに、考え、そして決断する。こんなに難しいことはないと感じます。
おいらは、若輩もので、まだ全然およびませんが。竹筒専門の職人さんは、
本当に良い竹花筒を作るためには、山を一日かけて何キロも歩き回ります。
そのようにして、良い竹を探しまわり伐るそうです。
本当に良い竹は、一山に一本しか見つからないと言います。
一日中、筋肉痛になるほど、歩き回っても、その一本の美しい竹に出会えるかどうか。
まるで、一本の竹を選びぬくスカウトマンのような気持ちでしょう。
それほど奥の深いものです。

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