ブドウ園の籠の修理 その1

福岡県のぶどう農家のお客様より籠の修理の依頼がありました。

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 この籠は、ブドウ園で、秋に落ち葉集めに使っているそうです。

福岡県から、この籠を車で持ってきてくださいました。

お客様は、60代の方で、3歳くらいの時に、この籠に入って遊んでい

たそうです。

そして、ご祖父様が籠ごと担いで、畑に行っていたそうです。

なので、少なくともこの籠は、60年以上前のものだそうです。

この籠、なんと強靭な作りをしていたんですね。

 

 しかし、60年も農作業でこの籠は、人と共に働いてきて、だいぶ

傷んでしまっています。無理もないですね。

 

 縁とつながっているはずの縦の骨ヒゴは、すべて折れています。

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 籠の底は、ガムテープで、ふさがれています。痛々しいですね。

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 ガムテープを剥がすとビニール紐で修理してありました。

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 底の補強の足竹も一本を残して、後の3本は使い物にならなくなって

います。

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 骨ヒゴから外れて行き場をなくした編みひごたちです。

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 そして、縁は、ビニール紐で、なんとか付いているだけになっています。

この籠の壊れた所を見て、おいらは、修理は、かなり難しいと思いました。

お客様に「飛び出ている竹ヒゴを一本折って良いですか」と聞いてから

折ってみました。もう竹ヒゴはボロボロで、縫うことは、不可能な状態です。

 この状況をお話して、「この籠は形も良いので、花を生けて使っては、どう

でしょう」... では、新しく作っては、どうでしょうかと言ってみました。

でも、お客様は、この籠がどうしても、使いたいそうです。

 そして、お客様は、「修理が無理なら、この籠を燃やしてしまおう」

と言われました。半分冗談のような、お言葉を聞いて、なんとかしてあげない

といけないと思いました。「わかりました、この籠あずからせてください。

きっと、修理してまた使えるようにしますから」と言いました。

でも、修理の仕方はまったく思いつかないのに、引き受けてしまいました。

 

 

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 まず、長年の疲れを取ってもらおうと、籠さんに、お風呂に入って

もらって、汚れを落としました。

底は、破れていますが、縫えない状況です。

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 そこで、編んだものを上からかぶせて補強することにしました。

竹ひごを作っています。並みの編みでは抑えきれないので、

強靭な編みの、透かし網代にします。

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 普通に考えると透かし編みは、弱いイメージがありますが、透かし網代は

編みヒゴをかなり厚くしても、編めるので強いです。

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 そして、籐で固定しました。

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 底の補強完了です。

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そして、修理をするために部品をすべて、取り外しました。

この時は、かなり勇気がいりました。もう後戻りは出来ません!

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 そして、縁をつないでいるビニール紐も切り離しました。

外れている編みヒゴを編み納めます。

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 折れないように慎重に、編み進めます。

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 足りないところは、新しい編みヒゴをたしました。

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 そして、色を合わせるために、塗装しました。一回目の下地塗りです。

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 そして、仕上げの塗りです。

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続きは、また明日です。

 

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コメント(1)

今日はありがとうございました。
痛みがひどくて一度は捨てようかと思った籠でした。
ネットで中岩さんの事を知り、もしかしてと思い訪問させていただきました。
運動会の玉入れ風に作れば修理より安くつきます、とも言われてその気にもなりましたが、その後連絡があり修理しましょう、費用は極力抑えます、ということで修理をする決断をしました。

出来上がって満足。祖父の時代からあり、この籠に入れられて田んぼから帰った思い出もある貴重な品でした。

大事に使います。本日はどうもありがとうございました。
山手守巨峰園
2代目園主 山手一男

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このブログ記事について

このページは、中岩孝二が2012年1月 5日 17:54に書いたブログ記事です。

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